雑草記11 野反湖 ヤナギラン
山野草では珍しく、房状に大きく、明るい紅紫色の花を咲かせ、群生して美しく、爽やかな夏の高原を彩る。
陽当りのよい草地に生える多年草で、森林の伐採地や山火事の跡などにいち早く繁殖し、一面に群生する。
日本では中部地方以北に分布しているが、ヨーロッパ、アジア、北アメリカなど、北半球の温帯地域に広く分布している。
針葉樹林の山火事跡に大群落をつくるため、「Fire weed」(weed は雑草の意)とも呼ばれる。
和名の「ヤナギラン」は、「柳蘭」と書く。
名前の由来は分かりやすく、葉の形が柳の葉に良く似ていて、「蘭」のような花を咲かせることによる。
学名もこの葉の形状にちなんでいて、「Epilobium angustifolium」といい、「スミレ色の花が、長い子房の先に咲き、幅の狭い葉をもつ」という名前。
直立した茎の先端に花序を総状(そうじょう-ふさのような形)につけ、多数の紅紫色の花が下から順に咲き上る。
花の後には実がつき、熟すと縦に4つに裂け、中から白い絹毛をつけた1mm程の種子が多数出て、風に乗って飛び散っていく。
アカバナ科アカバナ属の草花であるが、この「アカバナ」は、「ヤナギラン」似ても似つかず、とても小さな可愛らしい花をつける草である。
ちゃんと勉強すればもっともな理由があるのだろうが、この「科」「属」分類は見た目の形からはよくわからないモノも多い。
駒出池の近くの八千穂高原では、鹿に食い荒らされてしまって、群生はおろか
個体すら今年はあまり見られないとの事だった。
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