昔は生活にとけ込んでいたけれど・・・

雑草記31 ツユクサ もうすぐ10月もおわり。今年も残すところあと2ヶ月になろうとしている。 そろそろ雑草の種類も減ってきて冬の到来を予感させる。 この季節に咲いている草花は春、夏に比べ花は小ぶりで可愛らしく、落着いた感じのモノが多く見られる気がする。 ツユクサ。 どこででも見られる1年草。生育地は日本全土におよぶ。 だれでもどこかで目にしているであろう。 少し湿りっ気のある空き地や道端に生育していることが多い。 この草花は特に秋のものではなく、6月頃から10月末頃まで咲いている。 「ツユクサ」は、「梅雨草」ではなく、「露草」と書く。 「梅雨」の時期にはまだ開花はしていない。 「露を帯びた草」の名のように、朝露を受けて咲き始め、午後になると花をしぼませてしまう。 良く見ると花の形は独特で、3枚の花ビラ(細かく言うと他に3枚あるのだが)は2枚が青く大きく、1枚が白く小さい。 雄しべも面白い。2本の長い雄しべと、3本の黄色く短い雄しべと、1本の黄色く少し長い雄しべの6本があり、この青く可憐な花を形作っている。 沢山の別名を持つ花でもある。 「藍花」「青花」(綺麗な青い花で布を染めた) 「移草(うつしぐさ)」「月草」(青い花で紙など絵おつき染めたから) 「蛍草」(蛍を飼う時に籠にいれたから)等々 生活との係わりあい方から来た名がいろいろとあり、生活の近くにある雑草である。 ツユクサ科のツユクサ属。学名も「Commelina communis」(普通のツユクサ属)で、まさに、「ツユクサ」である。
雑草記-ツユクサ01
雑草記-ツユクサ02