雑草記22 オオイヌ丿フグリ
誰もが一度は道端で目にした事があるのではないか。
そんなこの草もヨーロッパ原産の帰化植物。
明治初期の1884年頃に東京で確認され、いまでは全国に広がっている。
この草も牧野富太郎によって記録されているらしい。(https://www.makino.or.jp)
花期は、3月から5月位までと春の訪れを感じさせる草花。
しかしこの「オオイヌ丿フグリ」は越年草で、芽生えるのは実は秋。
寒い時期ほど葉を広げ、陽の光を受けて冬を越すらしい。
花はルリ色(瑠璃色)で、花弁は4枚。道端や畑のはずれで可憐に群生しているのを目にする。
面白いのはこの名前。
学名は「Veronica persica」和訳すると、「ペルシャのクワガタソウ属」
この属名の「Veronica」は、キリスト教の聖女に捧げられた名。
問題は和名。漢字で書くと「大犬陰嚢」である。そう、犬の陰嚢という名なのである。
もともと日本の在来種である「いぬのふぐり」いう淡い紫色の花をつける草がありそれよりも少し大きな花をつけるため「大犬」である。
由来はその小さく目立たない果実の形。
丸みのある腎臓形のこの実の形が犬の「フグリ」(陰嚢)に似ていたからという事らしい。
昔の植物学者の想像力の逞しさには驚かされる。
この学名と和名のギャップはなんなのであろう。
他にも「タチイヌ丿フグリ」「コゴメイヌ丿フグリ」(小米犬のふぐり)というモノまである。
ゴマノハグサ科クワガタソウ属
余談ではあるが、このゴマノハグサ科クワガタソウ属には「ミヤマクワガタ」という名の草花がある。
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