ボケボケな画像ですが。少し群れた咲いていたので
雑草記49. ギンリョウソウ
最初に見た時はキノコの1種かと思った。
白く、頼りなく、輪郭もあまりはっきりしない。
実態をつかめない感じだった。咲いているのも登山道から少し奥まったところが多く、あまり近づけなかった。
目にしたことはあまりないと思いますが、日本全土に生育する多年生の腐生植物。
「腐生植物」という名称をはじめて聞いた。
種子植物ではあるが、葉緑素をもたないため光合成を行わず、かわりに有機物を吸収して生活する植物のこと。死物寄生植物ともいわれる。
そう葉緑素を持っていないので「美白」なのだ。
山地の落ち葉がたまる薄暗くて湿っぽい林床でみかける。
丈は5~20cm程度。
茎は直立した円柱状で、葉はすべて鱗片状で上を向いてつく。
茎の頂部に筒状鐘形の花を1個だけ下向きにつける。花期は4~8月。
萼片も1~3枚で鱗片状。花弁は3~5枚で肉質。
果実もつける。卵球形の液果で図鑑で見たらゲゲゲの鬼太郎の目玉親父のようだった。
「銀竜草」と書く。全体の姿を竜に見立て、白銀色をしているところからきている。
でも、「ギンリュウソウ」ではなく、「ギンリョウソウ」と読ませるらしい。
「ユレイタケ(幽霊茸)」という別名もある。白っぽい姿から幽霊が連想され、緑の葉がないのでキノコに見えるから。
英語ではIndian pipeやWaxflower(ロウの花)とか、中国名では水晶蘭とも呼ばれる。
ひとつ心配事が・・・
この「ギンリョウソウ」と良く似た植物で「アキノギンリョウソウ(ギンリョウソウモドキ)」というのがある。
名前でわかるように「秋に咲くギンリョウソウ」「ギンリョウソウもどき」だったりで、非常に似ているらしい。
違いは雌しべの色と花期と属。
この提灯状の花弁の中に隠れている雌しべが「ギンリュウソウ」は青。「ギンリョウソウモドキ」は黄色。
しかし今回それを確認していなかった。
で、花期はと言うと「ギンリョウソウ」が4月から8月。「ギンリョウソウモドキ」は8月から10月。
見たのが8月なのでどちらの可能性もある。
どちらもイチヤクソウ科だが「ギンリュウソウ」はギンリョウソウ属。「ギンリョウソウモドキ」はシャクジョウソウ属だけれども見た目ではわからない。
なので、ひょっとしたら・・・「モドキ」かも?
「腐生」だの「死物寄生」だの「幽霊」だのとまあネガティブな感じの単語がたくさん出てくるが
実際には繊細な感じの興味をそそられる草花でした。